2026年6月24日
ご安全に!
藤井産業株式会社様(本社:栃木県宇都宮市)は、栃木県を中心に、電設資材・土木建設機械等の販売から建築設計・施工、再生可能エネルギー発電など幅広く事業展開されており、当社システム建築の事業創成期からの施工店として共に歩んでまいりました。同社では4つのカンパニーの事務所の老朽化対応として、創業140周年を機に、新社屋「B棟」を建設されました。新社屋は、日鉄エンジニアリングのシステム建築商品「スタンパッケージC3」仕様とし、免震装置(NS-SSB)、照明制御システムなど多数の技術も採用。オフィス内はカフェのような開放感のある空間となっており、従業員の方々の働きやすさにも配慮。快適性とBCP機能を兼ね備えたオフィスを実現しています。
今回は、藤井産業様の新社屋B棟を訪問し、建設に至った経緯、設計・施工面での工夫、完成後の反響などについてお話を伺いました。

新社屋「B棟」
編集部:今回の新社屋B棟建設の経緯について教えてください。背景や、どのようなコンセプトで計画を進められたのでしょうか。
植木 一元 様(以下敬称略):弊社は4つのカンパニー制で事業を展開していますが、事務所の老朽化が進んでいたこともあり、創業140周年の節目として新社屋建設を計画しました。
建設に際し社長から、単なる建替えではなく、栃木県初の2000㎡以上の建物でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現し、BCPにも強い仕様で完成してほしいという要望がありました。「これからのオフィス」を意識した建物にということですね。
さらに弊社は、電設資材や設備機器、環境商材などを幅広く取り扱っていますので、地域貢献と実際にお客様へご案内できる"ショールーム"機能を持つ建物を目指しました。具体的には、ZEB実現に向けたパッシブ技術、省エネ技術の導入や、WELL認証取得等により、従業員の働きやすい職場づくりと事業継続性を重視しました。
高橋 康浩様(以下敬称略):実際に完成後は、自治体関係者や商社等のお客様からの「見学したい」というご依頼がかなり多いですね。
植木:ありがたいことに、非常に良い反響をいただいています。
相田 秀則 様(以下敬称略):建物内には、免震装置(NS-SSB)の実物を見学できる開口部などもありますので、皆さん興味を持って見てくださっています。

免震装置(NS-SSB)
編集部:今回ご計画において、多数の建築工法の中から日鉄エンジニアリングのスタンパッケージを採用された理由を教えてください。
植木:新社屋がBCP対策強化を目指す計画でしたので、弊社の建設事業のベースであり、高品質なシステム建築商品「スタンパッケージC3」の採用は当初から決めていました。その中で免震装置の採用可否を日鉄エンジニアリングさんに相談した際に、低層建屋でも採用可能であること、特にコスト面でのメリットが確認できましたので、NS-SSBの採用に至りました。
貴社とはスタンパッケージを通じて長年に亘るお付き合いがありますし、弊社としても日頃からお客様にご提案している商品でもあります。だからこそ、自社の建物に実際に採用し、体感したいという思いもありました。

植木様
高橋:実際に自分たちで使ってみることで、お客様にも具体的な説明ができますよね。「実際にこうでした」と実感をもってお話できるのは大きいことだと思います。
編集部:今回はNS-SSB(免震装置)の導入のほか、海外鉄骨の採用など、新たな挑戦も多かったと伺っています。採用に際して感じられたことを教えてください。
植木:BCP対応は今回の重要テーマの一つでしたので、免震装置について非常に魅力を感じていました。一方で、低層建物への適用は前例が少ないということで、当然プレッシャーもありました。
高橋:かなりありましたね(笑)。やはり普段扱っている建物とは構造が異なるので、最初は技術屋として違和感もありました。
植木:高橋はかなり苦労していたと思います(笑)。
高橋:海外鉄骨については品質や納まりなど確認しながら慎重に進めました。普段とは違う確認事項も多く、現場としては苦労もありましたが、その分、施工管理や調整力という面では非常に鍛えられたと思います。結果的には、社内としても大きな経験値になりました。
植木:ええ、当社としても非常に勉強になりましたね。
高橋:今回の経験を通じて、今後お客様へご提案する際にも、より具体的な話ができるようになったと思っています。
新倉庫
編集部:新倉庫に採用した腰壁システム「SPパネルJ」。こちらの評価は如何ですか?
高橋:「パネルJ」は特に狭小地の施工で大きな効果があると感じました。また、基礎工事段階で外周まわりの配管や埋設計画を早期に確定できる点や、雨水が建屋内に入りにくい納まりも高く評価しています。工期についてもメリットがあり、今回の様な規模感の建物では、概ね1週間から10日程度の工期短縮が可能ですね。
高橋様
編集部:設計や施工を進める中で、特に苦労された点や工夫された点を教えてください。
高橋:今回の建物は、自分たちが日頃お客様へご提案している商品や技術を自社で採用するプロジェクトでもありました。しかも本社機能としての建物ですので、「絶対に失敗できない」というプレッシャーは非常に大きかったですね。
植木:かなり神経を使っていたことは側から見ていても感じていました。
高橋:そうですね(笑)。特に今回は新しい取り組みも多かったので、確認・検証を重ねながら工事を進めました。
まず、免震装置(NS-SSB)が初めてだったので、構造に対する施工の観点でのアプローチに苦労しました。建物周囲が敷地内の道路に囲まれており、スロープ部分の長さに限りがあったため床高の設定でも苦労しました。当初450mm程度上がる予定でしたが、200mmまで下げて計画しました。
また、オフィス内に免震装置の現物が見られる開口部があります。これも「どう分かりやすく見せるか」まで含めてかなり検討しました。
相田:設置するミラーの角度や照明位置なども、現場で何度も確認しながら調整しました。
植木:お客様に見ていただく建物でもありますので、「見せ方」にはかなりこだわりましたね。
編集部:新社屋の完成後、社内外からはどのような反響がありましたか。
植木:前述したように、社外のお客様からの見学依頼は非常に多いです。我々も実際に建物をご覧いただきながらご説明できるので、非常に良い場になっていると感じています。
高橋:免震装置をご覧になって驚かれる方も多いです。
相田:社員目線での評価も非常に良いですね。特に女性社員からは「最高です」という声もありました。また、「免震構造のおかげで、地震(震度3~4)があった際に揺れを感じなかった」と、安心・安全を実感しながら仕事をしている社員もいます。非常に仕事がしやすい快適な職場環境になっています。
高橋:逆に綺麗すぎて落ち着かない、という男性社員もいましたけど(笑)。
一同:(笑)
植木:オフィス環境が変わったことで、社員のモチベーション向上にもつながっていると感じています。
編集部:最後に、今後の日鉄エンジニアリングに期待されることをお聞かせください。
植木:今回のプロジェクトを通じて、あらためて日鉄エンジニアリングさんの技術力や対応力を実感しました。今後もBCPや環境対応など、お客様ニーズはさらに高まっていくと思いますので、継続的な技術開発・提案に期待しています。スタンパッケージについては、外壁のバリエーションが増えていくとありがたいですね。在来建築と他のシステムと差別化するために、より多様な選択肢があると提案力が向上すると思います。
高橋:施工側としても、より効率的で品質の高い技術提案を今後も期待しています。
相田:設計面でも、新しいチャレンジを一緒に進めていければと思っています。
【プロジェクト概要】
(新B棟)
建設場所 栃木県宇都宮市平出工業団地41番3
(藤井産業本社敷地内)
建物用途:事務所
延床面積:約5,070㎡(約1,530坪)
構造規模:鉄骨造 地上3階建、免震構造(NS-SSB:33台)
当社範囲:基礎、鉄骨、免震装置(NS-SSB)、屋根、外壁、建具
工期:2024年2月15日〜2025年8月末(19カ月)
その他:『ZEB認証』取得
(新倉庫)
建物用途:倉庫
延床面積:約1,650㎡(約500坪)
構造規模:鉄骨造 平屋(一部中2階)
当社範囲:基礎、鉄骨、屋根、外壁、建具
工期:2024年10月1日〜2025年4月末(7カ月)
その他:腰壁部材SPパネルJ初採用